油圧がどのような機械でどのように活躍しているか、実際の使用例を上げてみましょう。
建設機械は、主にエンジンで油圧ポンプを回しバルブを介しアクチェータを動かして仕事をしています。
ローダ等は、走行にオイルモータと閉回路用のポンプを組み合わせて力強く且つ円滑な走りが得られることでHST(油圧駆動トランスミッション)が使用されています。
その他、ブルドーザ・ダンプ・クレーン車・アスファルトフィニッシャー・ロードローラー・エキスカベータ・トンネルを掘るシールドマシーン等建設機械には油圧が重要な役割を担っています。
[1] タンカー(石油運搬船)
タンカーは、石油を荷役する時に船底の石油を積み込むタンクが幾つも分かれています。そのタンクとタンクを仕切る弁が有りその弁の開閉また石油を積んだりおろしたりする時に、船が傾かないようにバラストタンクの水を出したり入れたりする時のタンクの仕切り弁の開閉を油圧で行っています。
その他、船を安定させるためのスタビライザー・錨の引き上げ(ウインドラス)・ロープを引っ張るムアーリング・操舵装置等も油圧で動かしている船があります。
[2] 貨物船
貨物船は、上からクレーン又は、コンベアで直接積み荷を船底に入れる形のものが有ります。
この形の船は甲板の上にハッチカバーが有りそのカバーの開閉を油圧で行っています。その他ウインチ・ゲート、戦艦の大砲の砲台作動・ショックアブソーバ、海底の浚渫等を行う作業船、深海探索船、水中翼船等色々な船に油圧は使われています。
プレスには、切断プレス・折り曲げプレス・絞りプレス・成型プレス・パンチングプレス等用途によって様々な形が有ります。大きなものでは、500t~2000tクラスのものがあります。
以上実際の使用例をあげてみましたが、この他に油圧の使われているところは、飛行機・戦車・フォークリフト・クレーン・工作機械・農機・製鉄機械・成型機・航空機の操従シミュレーション装置・遊園地の遊具機・振動試験機等各種試験機と多種多様です。