まず油に与えるエネルギーを発生させるものは、油圧ポンプです。
その方向を変えるものが、油圧要素機器の中の方向制御弁です。
(1)油圧ポンプの分類
方向は、仕事の進む方向ですがハンドルをつかって自在に方向を変えて進む車輌とは違い油圧はシリンダと油圧モータ等のアクチェータで往復運動と回転運動に変えて機械を始動・停止させ仕事をしています。
その方向を変えるものが、油圧要素機器の中の方向制御弁です。
(1)開回路の場合
(2)閉回路の場合
閉回路はポンプの吐出方向で方向を制御しています。
上記のような閉回路は、HSTとしてホイルローダ等の走行用に使用されています。
ポンプの吐出方向で前進・後退の方向を決めています。
ここまでは、仕事に必要な力・速さ・方向を簡単な油圧に変えて説明してきました。
油圧を使用して仕事をする上で用途に合わせ必要とされる要素機器の種類と構造・作動原理等について進めていきます。
油圧装置を利用して仕事をしますが、油圧の要素として次のものが必要とされます。
油圧は、液体(油)に圧力のエネルギーと流れのエネルギーを与え仕事をしています。この50年で目覚ましい発展を遂げあらゆる産業に使用されています。その理由としては次の特徴を備えているからです。
油圧の長所ですが、次のような欠点もあります。
これらの欠点については、油圧技術が進み種々改善され、電気・電子技術との融合と省エネルギー化・メカトロ化が容易にできる等の理由で広く使用されるようになりました。
http://www.kenkenkikki.jp/
KOMATSUが運営する建機関連サイトで、かなやルビを多用し建機機械のことが子供にも分かりやすく紹介されています。まさに図鑑のようなサイトです。大手建機メーカーだけあって手間の掛かったかなり凝ったサイトです。ぬりえやゲームもあって大人も結構楽しめる作りになっています。
上記のメンバーサイト『ケンキ王国』
http://www.kenki.jp/
住友建機では、中国向けのショベルが好調で前年度比2倍の1万台超の生産計画
との事です。中国の工場でも生産が間に合わないようで作れば売れるとの事で生産
能力を7割増しに引き上げるようです。
依然として中国頼みのようで、輸出だけでなく国内の需要も増え早く景気の回復が
望まれます。
昨年秋ごろから、朝仕事を始めようとしたらショベルの油圧ポンプがなくなっていた油圧ポンプを用意してほしいとの連絡が弊社に何件かありました。
事情を確認すると油圧ポンプが機械から外されてそっくりなくなっていたとの事
誰がどのような方法で持って行ったのか?相当大きな窃盗団がいるのでは?
と話していたところ6/22の新聞でベトナム人の窃盗グループが警察に捕まったとの事です。
18人もの集団窃盗グループだったようです!!流石日本の警察はすごい!!
油圧がどのような機械でどのように活躍しているか、実際の使用例を上げてみましょう。
建設機械は、主にエンジンで油圧ポンプを回しバルブを介しアクチェータを動かして仕事をしています。
ローダ等は、走行にオイルモータと閉回路用のポンプを組み合わせて力強く且つ円滑な走りが得られることでHST(油圧駆動トランスミッション)が使用されています。
その他、ブルドーザ・ダンプ・クレーン車・アスファルトフィニッシャー・ロードローラー・エキスカベータ・トンネルを掘るシールドマシーン等建設機械には油圧が重要な役割を担っています。
[1] タンカー(石油運搬船)
タンカーは、石油を荷役する時に船底の石油を積み込むタンクが幾つも分かれています。そのタンクとタンクを仕切る弁が有りその弁の開閉また石油を積んだりおろしたりする時に、船が傾かないようにバラストタンクの水を出したり入れたりする時のタンクの仕切り弁の開閉を油圧で行っています。
その他、船を安定させるためのスタビライザー・錨の引き上げ(ウインドラス)・ロープを引っ張るムアーリング・操舵装置等も油圧で動かしている船があります。
[2] 貨物船
貨物船は、上からクレーン又は、コンベアで直接積み荷を船底に入れる形のものが有ります。
この形の船は甲板の上にハッチカバーが有りそのカバーの開閉を油圧で行っています。その他ウインチ・ゲート、戦艦の大砲の砲台作動・ショックアブソーバ、海底の浚渫等を行う作業船、深海探索船、水中翼船等色々な船に油圧は使われています。
プレスには、切断プレス・折り曲げプレス・絞りプレス・成型プレス・パンチングプレス等用途によって様々な形が有ります。大きなものでは、500t~2000tクラスのものがあります。
以上実際の使用例をあげてみましたが、この他に油圧の使われているところは、飛行機・戦車・フォークリフト・クレーン・工作機械・農機・製鉄機械・成型機・航空機の操従シミュレーション装置・遊園地の遊具機・振動試験機等各種試験機と多種多様です。
これから油圧を勉強する人の為に油圧の基礎からはじめよう。油圧は、皆さんが仕事をしているところの手助けをしている補助具と考えて進めてみましょう。
仕事とは、どのように進めているのでしょう。
頭の中で考えていても動きが伴わないものには、成果が見られません。
その動きを担当しているのが油圧と考えたらどうなるのでしょう?
まず “力” 鉛筆を持つ、ハンマーを持つ、ハンドルを回す。それをどの “方向” へ進むのか、
どのような “速さ” で進めるのか?これはみんな仕事に係わることです。
“力”は、油圧では何に当たるのでしょう。
“方向”は?
“速さ”は?
“前・後・上・下・右・左“ 方向を決めるのが方向制御弁です!
最終的に“仕事”をするのが 油圧シリンダー・油圧モータのアクチェータです。
この “力” “速さ” “方向” が仕事の3要素と言われています。
圧力(P)は、静止した液体の単位面積(A)当たりに作用する重力(F)を圧力と言います。
発生した圧力は、一般に大気圧を“0”としたゲージ圧で表わされます。
その他、真空を“0”とした絶対圧力があります。ゲージ圧で真空を表すときには、-○Pa 又は、○○mmHg(水銀柱)で表わされます。
油圧の圧力単位は、1999年10月1日施行の新計量法により従来の工業単位(メートル)系の単位kgf/cm2からSI単位(国際単位系)に変わりMPaで表わされます。
F(重力N)=P(圧力Pa)× A(面積m2)となります。
流量(Q)は、1分間に流れる量 L/min をいいます。その量で、ある大きさ(面積)の容器をいっぱいに満たした時間を速さと言っています。